まさに奇跡のワイン!沈没船の中から発見されたエドシック・モノポールとは?!

はじめに

一般的に、高級ワインになればなるほど飲み頃までに時間がかかるとされており、収穫したから20年も熟成されることによって、やっと飲み頃になるワインもあるそうです。
その熟成方法とは、コルクが乾かない湿度70パーセント程度、温度が13度程度の暗闇・・という条件が理想ですが、ここでは海の底でワインを熟成させる方法についてご紹介しましょう。

伝説のワイン エドシック・モノポールとは?!

brands_item_heidsieckco_monopole<出典:http://www.vranken-japan.co.jp/brands/>

皆さんは海底で80年もの時間を過ごした伝説のワインのことをご存じですか?
第一次世界大戦中の1916年に、ロシア皇帝であるニコライ二世からフィンランドに駐留中のロシア軍のため、1907年のヴィンテージシャンパンであるエドシック・モノポールや、ブルゴーニュワイン、小ナックなどがオーダーされたそうです。
これらを積んだ船、ジョンコピング号はサントペテルブルグへ向けて出港した後、スウェーデン沖を航海中にドイツ軍の潜水艦によって撃沈されてしまったのです。
その後、スウェーデン沖の海底でこの貨物船が発見され、引き上げ作業が行われました。
積まれていたワインなどはすべてだいなしになっていたにも関わらず、海底で80年もの時間を過ごしたエドシック・モノポールだけは最良の状態で、栓を抜いた時にはまだ若々しい状態だったとか。
このジョンコピング号とともに海底で時を過ごしたエドシック・モノポールは、偶然の重なりによって奇跡が起こっていたと言えるでしょう。
ジョンコピング号が沈んでいた海底の深さ64メートルはワインを劣化させる原因となる紫外線を遮ってくれ、水温を維持してボトルの中の水圧と同じ水圧を偶然にも持ち合わせており、最適の保存状態となったのです。
さらに、エドシック・モノポール号自体が長期熟成に耐えられる品質の高いシャンパンだったことから、偶然が重なりあった末、ほとんどパーフェクトな状態で1998年に引き上げられるまでの間海底で眠っていたのです。
深海で長期間熟成した状態で引き揚げられたエドシック・モノポールは、奇跡のシャンパンとして世界中で話題となりました。

日本の海底でワイン熟成計画が?!

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引き上げられるたびに世界で話題となり、人々からロマンと憧れを与えてきたお酒と海の熟成のエピソード・・・。
そんなロマンチックな願いを再現しようということで、2年にもわたる実験の末に海底に沈めて熟成させたワインが本当に存在するのです。
しかも、海外の話ではなく日本での話というから驚きですよね。
その幻ともいえるワインの名前は「SABRINA」。
南伊豆中木沖の海底20メートルの場所にあるワインセラーで約

7か月間も熟成したそうです。
商品は3タイプあるのですが、中身はすべて同じ。
国際評価が非常に高い南アフリカのクルーフ社シラーズ種という品種を使ったもので、ワインとしても非常に貴重とされています。
この時に海底に沈められた本数は6000本で、ボトルの状態によって3つのタイプに分けられています。
最も高価なタイプは最上段に貯蔵され、石灰藻やフジツボが大変付着しているもので、中間部は付着物がほとんどないもの、最下段のものは金属柵のさびなどが付着したものとなっています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
海底では地上との時間の流れがきっと違うのでしょう。
時間に耐えることにより、おいしく変化する希少な特性を持ったワインですが、耐えられる時間にも限界があると言ってもいいでしょう。
海底ではそんな時間さえも超越できるのかもしれません。
いまだに解明されていない謎・・なんて素敵なんでしょうか。
とても魅力的なエピソードだと思いませんか?