エピソード:0〜北国産メタラーがうっかりコラムニストもどきをやることになった訳〜

酒は何でもありがたくいただくが、ワインについては浅識なのにワイン業界にいる「崖っぷち道産子メタラー」による飲んだくれコラム。

Shall We Wineでは、この模様を不定期連載形式でお届け!

まずは、飲んだくれ紀行の導入部として、「何故特に文才もやる気も足りない道産子メタラーがコラムを連載するまでに至ったか」を、ワインが美味な飲食店様のご紹介と共にお送りいたします。

Episode:1 遥々北国からやってきたメタラーがうっかりワイン業界に入り、うっかりコラムニストもどきをやることになった訳(前編)

ちょっと晴天の霹靂だったと思う。

2016年某日——集中力が切れてきて、疲れも感じる、中だるみしがちな魔の水曜日。気怠い早朝ミーティング中にそれは起こった。

「おすず、まとめ記事書いて」

和の国ジャポンの最北に生まれついて、かれこれ20数年。今まで特にコミュニケーションには不自由してこなかったつもりの私だが、日本語のレベルは割とそこらの小中学生並みである。実は。

日本語は、ほぼほぼ独学だ。

第一言語(母国語)を日本語としながらも、人生の大半で日常的に使用してきたのは英語。海外で働くことも、ここ数年で話題(むしろ問題か?)になっている、英語が社内公用語の企業に勤める可能性もあっただろう。

自他共に認めるほどには驚きのチョイスだが、現在進行形でお世話になっている会社には紆余曲折の後、縁あって行き着いた。

だが、今在籍している会社は見渡す限り何もかもジャパニーズ。勿論、取引先も日本人である。この国に住み続けていながら、外国人コミュニティーで過ごした自分には、こんなに同胞達に囲まれたことは無かった。

そんなやばい奴が不得意な言語を使うと、主に自分が原因の場合が多いが、時折ディスコミュニケーションが発生しないこともない。

「オウンドメディア頼むね」

「え、あ、はい」

一瞬、社長の指示に耳を疑ったが、適当な返事が口から零れる。

まず、オウンドメディアとは何ぞや?と真顔で考えた。今更聞けんわ。とりあえずスルーした。

「おすず視点でワインのお店のレビューもやってよ」

ワンテンポ遅れて、内で心が波打つ。

(What?)

ーー気付いたら、本件の「ワインの美味しいお店」を紹介するコラムを書くことにもなっていた。

世はいつだって不条理に人を置いてきぼりにして、早送りで進む。若干ポルナレフ状態だった私だが、とにかくコラムなんて高度なものを書くことになった。

それからしばらく経ち…

不真面目な社員であるおすずは、コラムなんてそっちのけで飲んだくれていた。

やばい。

もう2017年なのだが…コラムに記事が一つも無いとは、これいかに??

やはり社長の尻叩きがやってきた。うむ、痛い。

「さて、最初の犠牲者お店はどこにしようか…?」

待ちに待った花金(死語?)の夜22時頃。

私はホームグランド、城東の歓楽街・錦糸町へと降り立った。

そして、ひとまず腹ごしらえをしようと向かった先は…

 

 

⇒ 次回、